コロナの影響が計り知れない4月(令和2年の新茶前)
松下園では、地元の子供たちの「新茶摘み体験」を毎年しています。
もう、20年ほど続く小学3年生の地域学習、お楽しみな青空野外授業です。
残念ながら今年はコロナウイルス感染防止の為に中止と成りましたが、沢山の農園協力者と孫も参加して新茶摘みを行い、全国茶品評会へ出品することが出来ました。
全国茶品評会は個々のお茶の品質を競うだけでなく、優秀産地賞も競う為、掛川茶を生産する農家にとっては全国茶品評会での産地賞一位(日本一の産地)獲得が悲願でもあります。
有機栽培茶園からも挑戦する中、悲願達成を願って自然仕立てと言う春から秋まで枝を剪定しない「自然任せの栽培方法」を試みました。
新芽を育む母葉のボリュームが豊かで、品質は、最高に引きだせる栽培方法ですが「手摘み」以外に収穫方法はありません。
また、出品用の茶葉は大きく育つ時期に「小さな2枚の葉と芽」を摘む為、一人が1㎏の新芽を摘むのには半日ほど掛かりますし、大きくなった葉を残すので収穫量も3割ほどに減ってしまいます。
コストダウンには程遠い栽培方法ですが「学びの」お茶造りです。
朝のあいさつでマスクを配り、有機認証茶園での品評会用新芽の「お茶摘み作業」です。
ぷっちりと膨らみ始めた新芽(先端部の小さな2枚の葉と芽)を折り摘みしました。
柔らかな、栄養が詰まった新芽はプチッと音を立てて折ることが出来ます。
有機茶は味が薄いとか収量が少なく大変とか、自然環境を整えるのに5~6年は掛かるとか、色々な意見が有りますが生産者は出来る精一杯の努力をしながら、自然の恵みに感謝して「一椀に夢を描く仕事」だと思うのです。
摘んだ新芽は息子たち農園の若者が6時間ほど掛け、新芽の風味を引き出す製茶加工を行い、調整作業を経て本年度の開催地である鹿児島へ送られました。
コロナが無ければ「100名以上の賑やかな茶摘み」今年は少し残念でしたが・・・?
ラッキーな入賞、そして創作銘茶誕生へ
天候にも恵まれ、沢山の協力者のお陰で今年も入賞することが出来ました。
息子が就農してから、製茶技術を学ぶ一つの手法として毎年出品を行っていますが、今年のお茶は「自然を強く感じる」お茶の木さんの生命力に感謝の出来栄えです。
お茶の木の生命力「自然な息吹」を味わえるお茶なのです。
新芽はお茶の木の赤ちゃん、母の葉(前年の夏から秋に育った母葉)と土づくりを繰り返した父と成る土(微生物が多い豊かな土壌)が生み出した「天然の風味」です。
今年は有機玉露1号が旨味を強く感じる出来だった事から、全国茶品評会入賞茶を強く焙煎し、有機玉露1号の芽茶をブレンドして味わうと、若芽の馥郁たる香りと若芽と成熟葉が醸し出す、まろやかな「天然の風味」が誕生しました。
最高に手間を掛けた有機農園の貴重な2種類のお茶をブレンドした自然な味わいを一度お試しいただきたく小袋に詰め、創作銘茶「天然一服」と命名致しました。
農園の全国茶品評会入賞茶 農園の有機玉露1号の芽茶
3gの茶葉と少し湯冷しした30~50㏄の湯で45秒ほど抽出してから、お楽しみください。
2煎目を熱い湯で楽しんでから、茶葉をクッキーなどに乗せ「ほろ苦さ」も味わえます。
自然が育む「天然の風味」を美味しく飲んで、食べて、「とことん」お楽しみください。